アタシの✖︎✖︎話

50代のなんやかや

今年の課題 96/1000

明けましておめでとうございます。 今年も行きつ戻りつ、止まりつしながら、心の平穏を保つためにここに書いていこうと思います。 自分は心の中を整理する作業が好きなんだと思う。うやむやにしておけないし、うやむやの正体を知りたいと思う。他の症例も知…

責めない 95/1000

「なんでそんな人と結婚したの?」 母や友人から何度も聞かれ答えに詰まった。責められている気分だ。 時間をかけてやっと答えが出た。 「そんな人だと思わなかった」 バカみたいだがこれに尽きる。そんな人だと知っていたら結婚するわけなかろうと。 責める…

台風の目 94/1000

西から東へ越してきたのは、コンピュータの2000年問題がにぎやかだった頃だ。 見知らぬこの地に越してくるには相応の理由と覚悟があった。その上で人生を賭け勝負に出た…と言うのは大袈裟だろうか。フリーランスで働く私には重たい決意だった。 そんな私を応…

自家中毒 93/1000

みなさんお久しぶりーふ。 度々暗い話を吐き出して、読んでるみなさんももうお腹いっぱいかな、と思って吐くのは控えていた。 しかも今は弁護士先生にお願いしている身だ。何でもかんでも大っぴらにするのは良くないだろう。 その上、またしても不快な病に悩…

我慢 92/1000

あの男の身勝手な言動に負けたくなかった。 世の中には私よりももっと苦しんでる人がいる。戦争、暴力、飢餓、貧困。なぜこの国に生まれたのか、と疑問を持つこともなく死にゆく人もいる。 そんな人たちに比べたら、今の私はなんと恵まれたことか。命を奪わ…

記憶違い 91/1000

あまりにも酷すぎたのか、それとも酷いことが多すぎたせいか、妙な記憶違いが発覚したことがあった。 〈私の記憶〉何がきっかけだったのか夜中にあの男が怒り出した。そこへ寝ぼけて起きて来た小学生の娘。娘に向かってあり得ない暴言を吐く男。私はカッとな…

解散 90/1000

突然、イヤな記憶が蘇ることがある。そのまま永遠の眠りについていればいいものを、何かのきっかけで私の体内で暴れ出す。 「こんな家族はもう解散だ」 理不尽な要求に抵抗している私たちが気に入らないのだろう。そんなことを何度か言われた。 子どもたちの…

算段 89/1000

いつ何が起こるかわからない。子どもたちと離れてしまうこともあり得る。そう思った私は「いざ」というときの算段をした。これはあの男が狂暴になって命の危険を感じた場合のシミュレーションだった。 我家の家計はほんの少しの余裕もなかったため、母にお金…

あの時の 88/1000

家の中はいつも張り詰めていた。 娘は心を閉ざし、自分を傷つけた。 息子は力を付け、いつでも闘う気持ちでいた。 家族の誰かが加害者になり、誰かが被害者になるのは時間の問題だと思っていた。 湖に張った薄氷の上を歩くような、あの時のあの緊張感。薄い…

傷③ 87/1000

怒りのあまり気が狂うなんてことはあるのだろうか。 最終的に私の心を圧倒的に支配していたのは、怒りだった。怒りを抱えたまま暮らすのはとても苦しかった。言葉の通じない異星人のような人間との会話で怒りが増す。どうやっても理解し合えない。それどころ…

傷② 86/1000

数え切れないほどのくだらないこと。何年も繰り返された。 いつか慣れるだろうか、と思ったが、それは叶わなかったようだ。お母さん、私はまだ我慢が足りないの?と心で問いかけた。神さま、もっと我慢するので、子どもたちを守ってください、とも。 妊娠中…

傷① 85/1000

離婚について弁護士に相談したときのこと。 無料相談は回数と時間が厳しく制限されている。質問を絞り込み、確かな言葉を聞き出す…のはずが期待したような回答は得られず、時間は残っているのに私は黙り込んでしまった。 若い女性弁護士が尋ねた。「一番傷つ…

今月の映画 84/1000

「万引き家族」2018年 家族ってなんだろう。 子どもに必要なものってなんだろう。 親の責任ってなんだろう。 私が我が子に伝えてきたこと「好きなことをやれ。でも法を犯すな。人を裏切るな。」…この家族はこれらを全部やっている。好きなことを(好きなよう…

今月の映画 83/1000

「星の子」2020年 辛くも愛に溢れた映画。 救いを求める人たちの救いようのない話、と言ったら言い過ぎか。新興宗教にハマった家族の話だ。 救いを求める人たちは得てして純粋だ。側から見れば幼稚にも滑稽にも見える。しかし本人たちは愛を拠り所としている…

今月の映画 82/1000

「ミッドナイトスワン」2020年 邦画に興味はなかったのだが、家で作業しながらBGM的に流すには字幕がない方が良い。Netflixで適当に漁り、適当に流す。 ゴメン、こんなに感動するとは。 草彅クンの女装ばかりフォーカスされていた印象しかなかった。草彅クン…

反芻③ 81/1000

傷つけられた言葉を思い出してはいけない。心に浮かべるだけで再び傷つく。私の言葉ではないのに。 繰り返し繰り返し思い出し、そのたびに傷ついた。家の中、車の中、ファミレスもスーパーもそれらは潜んでいた。顔を洗っているとき、料理をしているとき、楽…

反芻② 80/1000

あれからあの男には一度も会っていない。最初は電話をした。離婚の話だ。だが声を聞くと体調が悪くなる。相手が「泣く、怒る、脅す」ばかりで心が疲弊してしまったので、電話はやめた。 LINEも無視した。必要なことは私の母を経由し「今回はLINEを見て」と連…

反芻① 79/1000

深夜の警察騒動からの数週間、どうやって過ごしていたのかほとんど記憶にない。思い出そうとすると、畳の上に座り込んで一心不乱に編み物をしていた自分の姿が見える。 もう怒りもないし悲しみもない。恐れも悔しさも何もない。目の前のことを変わらずこなす…

語ろうかな⑩ 78/1000

車から毛布を出して羽織った。パジャマ姿に傘と引きちぎられたバッグ。惨めだったがもう引き下がれない。 警官たちの会議は続いた。このパジャマ女にたったひと言を言わせていいのかどうか。また暴れ出すのではないか。 私の見張り役の警官は、家に帰ったら…

語ろうかな⑨ 77/1000

死にたい衝動を止めるために、 暴言を吐くこの男を黙らせるために、 私は警察を呼んだ。不審者として取り囲まれたのは私だ。構わない。私が生き続け、あいつが黙ればいいのだ。 少し離れたところでは、あの男が涼しい顔をして別の警官と話をしていた。私の飲…

語ろうかな⑧ 76/1000

深夜のお迎えは続いた。 これは本人次第だ。電車で帰る時間に仕事を切り上げれば良いだけのこと。ワガママを増長させ、くだらない習慣を作ってしまった。もちろん私も意図せず加担した。 あの夜も同じように呼び出された。秋。雨。深夜。風呂上がりの濡れた…

語ろうかな⑦ 75/1000

(ここを見てくれるのはどんな人なんだろう。私のことを知っている人なら、さぞかし驚いていることだろう) ここでひっそりと吐き出すうちに、気持ちがスッキリしてきた気がする。だが忘れてはいけない。これはトラウマ案件だ。 久しぶりの駅に降り立ち、ある…

語ろうかな⑥ 74/1000

私たちを苦しめた人物が目の前からいなくなったことで、とりあえずは気力を取り戻した。だが問題は山積みだった。 上の子は大学進学を控えていた。 下の子はサッカーに打ち込む日々。道具だ遠征だ食事だ…とにかくお金がかかる。 だのに我が家には驚くほどお…

語ろうかな⑤ 73/1000

こんな父親でもいないよりマシ。 こんな父親ならいない方がマシ。 2つの間で何年も揺れ続け、悩み続けた。私じゃない、子どもの将来を考えなければいけない。悩み続けて頭がおかしくなりそうだったのに、いつしか悩んでる状態が当たり前になった。 目の前で…

語ろうかな④ 72/1000

「どうしてあんな人と結婚したの」 よく言われる。自問自答も繰り返した。 いつか変わってくれる、と信じていた。仕事が決まれば。私のお腹が大きくなれば。子どもが生まれたら。子どもが大きくなれば。2人目が生まれたら。2人目が大きくなれば。子どもの学…

語ろうかな③ 71/1000

「上手く行くはずがない」と確信しながらも何か行動を起こすわけでもなく、でも着実に終わりへ向かっていた。 彼は家族をストレス発散の的にして楽しかっただろうが、私たちには地獄の日々だった。 家に帰ろうとすると体が震えた。 灼熱のあの日はコンビニの…

語ろうかな② 70/1000

50歳の誕生日、何か記念になることをしようと1人で出かけた。 目的とか計画のないお出かけは苦手で、ランチを食べてにぎやかな通りを文字通りウロウロしていたら、占いの看板が目に止まった。生まれて初めてお金を払って占いをしてもらった。 当時の(あ、今…

語ろうかな① 69/1000

私がモラハラ被害に遭っていた時、私は「モラハラ」という言葉を理解していなかった。 モラハラしていた方も当然自分がモラハラ加害者とは思っていなかっただろう。今だに。 私は何が怖いのか、なぜ苦しいのか、なぜ悲しいのかがわからず、初めて自分のこと…

ひとつの章が終わった話 68/1000

久しぶりの投稿になってしまった。 先日めでたくない誕生日を迎えた。心療内科の戸を叩く日もあったが、暑くなり、私は元気になった。真夏生まれのせいか暑いのが好きなのだ。 人生はほとんどが意図しない結果で、望まない結果だが、そこから道が開ける。こ…

立ち去る人の話 67/1000

車で信号待ちをしていた時、反対側の歩道を行く車椅子の男性を眺めていた。 比較的ガタイが良いのに、ほんの少しのスロープを上れず苦労している。車椅子とはなんと不便なものなのか。 チラッと見ながら行き交う周囲の人々。 私はイライラしていた。ほんのひ…