「どうしてあんな人と結婚したの」
よく言われる。自問自答も繰り返した。
いつか変わってくれる、と信じていた。仕事が決まれば。私のお腹が大きくなれば。子どもが生まれたら。子どもが大きくなれば。2人目が生まれたら。2人目が大きくなれば。子どもの学費がかさむようになれば。
その都度、自分に言い聞かせて、いつか…と信じてきた。お人好しすぎる自分。
一方で離婚も考えた。自由業の立場をいったん離れてしまった自分に、以前と同じ仕事はできるだろうか? 私1人ならなんとかなっても、子連れでは不幸な未来しか想像できなかった。覚悟が足りなかったんだな。
子どもにとって、どんな父親であっても「いないよりマシ」ではないか。いやいや、親がケンカばかりしている環境が子どもにとって良いわけがない。
いつも悩んでいた。もともと人に相談するタイプでもなかった。母には離婚を反対されていた。ひとりで悩み続けて時間だけが過ぎた。