離婚について弁護士に相談したときのこと。
無料相談は回数と時間が厳しく制限されている。質問を絞り込み、確かな言葉を聞き出す…のはずが期待したような回答は得られず、時間は残っているのに私は黙り込んでしまった。
若い女性弁護士が尋ねた。「一番傷ついた言葉はなんですか?」
私は答えられなかった。答えたくなかった。
全てが一番で、全てが一番ではない。それが私の答えだ。
あれから何度も考える。どれが一番傷ついたのか?
こんなことを言われた、こんなひどいことをされた。どう思う? 傷ついた気持ちをどうにかしたくて、やっとの思いで人に話したことがある。が、なんとも薄っぺらな言葉が返って来て打ちのめされた。私の身に起きていることは誰にも理解されない、と気づき、二重三重に傷ついた。以来、人に話さなくなった。
私の身に起きていたことは、言葉にするとちっぽけで、誰にも気付かれない、くだらない出来事の連続だった。