アタシの✖︎✖︎話

50代のなんやかや

語ろうかな⑧ 76/1000

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深夜のお迎えは続いた。

これは本人次第だ。電車で帰る時間に仕事を切り上げれば良いだけのこと。ワガママを増長させ、くだらない習慣を作ってしまった。もちろん私も意図せず加担した。

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あの夜も同じように呼び出された。秋。雨。深夜。風呂上がりの濡れた髪でパジャマ姿だった。

いつもなら帰りも私が運転するのだが、あの夜は疲れていた。運転を代わってもらい、助手席で私は言った。「いつまで私に迎えに来させるつもりなの?」。

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反応は予想通りで、烈火の如く怒りだした。暴言を吐きながら運転している。横からそれを眺めていたが、ふと自分の中で「プチッ」と何かが切れる音がした。

車から飛び降りたい衝動が溢れた。死んでしまいたい、なんで私が死なないといけないのか。死んでしまいたい、子どもの成長を見届けたい。死んでしまいたい、死ぬのはコイツだ。

私は車から半身を出し、警察を呼んでくれと誰もいない都会で空に向かって叫んだ。