アタシの✖︎✖︎話

50代のなんやかや

私の中のアート 65/1000

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ミレー「馬鈴薯植え」

絵が上手いね、上手いでしょう、と言われるのが苦痛だ。絵を描くことは嫌いだ。

子どもの頃は得意で、学校の推薦でコンクールへ出品し、そこそこの賞をもらうこともよくあった。絵を描くことは私にとって日常で、ごく自然な行為だった。

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この展覧会が大きな転機となった。

わずか10歳の私はミレーの作品に震えるほど感動し、「こんな絵は私には描けない」と自分を恥じた。

以来、絵筆を持つことが苦痛になった。12歳の時にクラスの前で駄作を発表させられるという屈辱を味わい、真面目に絵を描かなくなった。

何かを表現したい気持ちを抱えながら、その方法を捨ててしまった。絵が好きなのに…好きなのに…手が動かなくなってしまった。描きたいと思った時には、描き方を忘れてしまっていた。

今思えば、頭の固い自分が先回りして作り上げた現実。人生をやり直すなら10歳からだ。かくして卑屈なアート好きが誕生したのだ。